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ズーマー走行中に突然!ガラガラガラ!と大きな音が鳴り始めた原因と対処法を教えます
異音、つまり、バイクから大きな変な音がして修理のお電話が入ることは少なくありません。
その音の種類や鳴っている場所によって、原因や修理法は変わるので、お電話の場合だと、どんな音ですか?
と、お客様に形態模写をさせることも多いです。
今回のズーマーのお客様は、「走っていたら突然、ガラガラガラ~と音がして来て、怖くてエンジン止めたまんまです。」とのこと。
そりゃそうです。
そんな音がしたらすぐにエンジンを停めるのは、正解です。
そして、その鳴った音と場所を、正確にマネして頂くのが、解決の早道です。
今回のお客様、相当、模倣がうまかったので、すぐに理解できました。
おそらくキックギアが悪さをしているな と。
これまでの記事で、キックレバーの動きが悪くなって、戻って来ないのを直す方法 ってのはやりました。
その応用と考えて宜しいかと思います。
クランクケースカバーの外し方は、その折にやりましたので、参考にして頂ければ。
あ、そうだ、この作業ですが、ホンダ原付バイク全般に活用できます。
トゥデイ、ジョルノ、ディオなど、すべて同じ理屈で直すことができますんで。
ということで、ケースカバーを外したところからスタートしてみましょう。
結論から言いますと、ガラガラと言っていた原因は、キックのし過ぎで、レバーの芯棒がエンジン側に入ってしまい、キックギアがクランク回転に干渉してしまっているからです。
聞いてみるとカンタンな理屈でしょ?
早速見てみましょう。


これがキックギア周辺のアップ。
右に見える歯車がクランクを回すんですが、左の大きなギアがキックの芯棒に繋がっています。
このキック側が悪さをしています。

キック側から見ると、ケースとキックレバーの間にスキマがありません。
これは、芯棒が中に入ってしまっているからです。

中で見てみると、ここです。
バネが、芯棒の間に入り込み、浮いてしまっているのがわかりますよね。
つまり、エンジン側にはみ出して来ているので、キックギアがクランクギアに干渉し、エンジンが掛かってしまうと、ガラガラガラと大きな音を立てるという理屈です。

修理対処法は、まずマイナスドライバーでバネを正常な位置に戻します。
戻し位置に押さえつつ、ギアを叩き込んで押し込む。
力は要りません。
ポンポン!と軽く叩くだけで元の位置に戻るはずです。
戻らない場合は、まだバネを挟んでいるはずです。

すると、レバー側から見ると、しっかり芯棒が出て来て、スキマができたことが確認できますね。
そもそも、芯棒には切り込みが入っていて、Cクリップがこうならないようにハマっているはずなのですが、それが無くなってしまっています。
そのCクリップは、キックのし過ぎで緩んで金属摩耗により飛んで行ってしまったようです。

これがCクリップ、または、スナップリングと言われているモノです。
このクリップがキック芯棒が中に入らないようにガードしています。

スナップリングをハメる工具が、スナップリングプライヤーというモノで、握ると開くタイプと、握ると閉まるタイプとあります。
今回は、芯棒に対してハメたいので、握ると開くタイプが正解です。
そして、L字になっているタイプがやりやすいでしょう。
我々のようなプロ工具で無ければ、先っぽを交換できるタイプもありますよ▼











レバーを芯棒から外し、スナップリングをハメます。
工具の先端がL字になっていることで作業がしやすいのがわかりますね。

これでスナップリングもしっかりハマり、ガラガラ音が止まりました。
このスナップリングですが、実は偶然にも同時期にトゥデイもまったく同じ症状で入庫しており、画像の大半はトゥデイの画像を使わせて頂きました。
とは言え、ホンダ原付全般になり得るトラブルであり、修理方法もまったく同じに対応できるモノです。
大きな音が突然、ガラガラガラ!ってし始めた時は、このケースを疑ってください。
音がし始めたのが「突然」では無い場合は、また違う原因があります。
ポイントは、突然 と クランクケースの中 と エンジン回転に応じて変わる音 ということです。
原付バイクの異音に対するご相談、ガッチャにお気軽に。
ではでは。
今回のご依頼:キックギアの補修修理 東京都港区 22,000円











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