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シグナスX・SR(SE12J)のエンジン不動をキャブレター洗浄で復活させる方法~洗浄編~
前回の続きレクチャーです。
今回入庫のシグナスX125(SE12J)も、アクセルケーブルとキャブ洗浄をセットにした修理案件となっております。
前回でキャブを車体から離脱することが出来ました。
寒いのでゴムホース類が固くなっているので、ヒートガンを使ってやっこくしたのがポイントでしたね。
とゆーことで、今回のレクチャーはいよいよ洗浄します。
当然ながら、今回のレクチャーは、キャブ車限定ですね。
初期型のSE12JとSRグレードが対象となります。
パーツリストを見てみよう。
まずは、ダイヤフラムを外して行きます。
これを一番最初に外すのは、あまりキャブクリーナー的な溶剤に浸すと、ゴムが伸びちゃって再利用できなくなってしまうからです。
真上から見て2本の#2プラスネジを外します。
ちっこいネジなので、無くさないよー気をつけましょー。
外れると、ダイヤフラムカバー、バネ、スロットルバルブ の順で外れて来ます。
汚れがそれほどでも無ければ、なにもしなくてイイパーツ郡です。
他に置いておきましょう。
次に自動チョークです。
チョークカバーを外します。
チョークストッパアングルが留まる#2プラスネジを外します。
これもちっこいパーツなので、無くさないよーに。
チョーク本体を引っこ抜いて外します。
この時に、ゴムパッキンだダメになる可能性があるので、もし、外れにくい場合はムリに外さないで、放っておいた方がイイでしょう。
さすがに年式も古いですし、なんでもかんでも分解すりゃイイってもんではありません。
悪さしない部分はそっとしておくことも、DIYメンテナンスの方法論です。
次に、フロートチャンバを外します。
ガソリンが一時貯まるところですので、一番汚れが付着する部分でもあります。
真下から見て#2プラスネジを3本外します。
ガスケットで張り付いているはずなので、ドライバーの柄部分で、引っ叩きます。
すると、パコっと外れるはずです。
放置したわけじゃないので、キレイなもんです。
でも、微量な汚れは溜まっていました。
まずはフロートという浮きを外す#2プラスネジを外します。
あとは、メインジェットとスロージェットをマイナスドライバーや7mmスパナなどを使って外します。
分解するとこんな感じです。
ジェット類の導通は当然ながら、フロートバルブの先端部はキレイにしておきましょう。
さて、チャンバ部に戻るのですが、この●の辺りが、フロートに溜まったガソリンをキャブ全体に行き渡らせる役目をしているのだが、この仕組みが複雑。
このアクセルスロットルと連動する棒が押されると~
この穴とこの穴にガソリンが流れる仕組みになっている。
フロート部に溜まったガソリンを上のジェット類にガソリンを送る装置なんだが、通常は負圧吸い上げなのだが、それを強制的に行うという、とても機械的な装置が付いているのが、このミクニキャブの特徴だ。
これは、初期型の4ストビーノなどにも採用されている。
こんな複雑な仕組みを考えるのは、日本人ぐらいなもんだろう。
決して褒めていないのであしからず。
あとはアイドルジェットの導通だ。
この穴から送った溶剤は、上の穴から出てこないとなりません。
詰まってたら始動性のとても悪いコンディションとなる。
フロートチャンバの使い方として、こうして溶剤を貯めておいて、ジェット類などを漬け込みが出来るのだ。
汚れがひどい時は、丸一日漬けておくとイイだろう。
ちなみに、キャブレタークリーナーは、泡タイプの速乾タイプでは無いタイプになる。
あとは一番肝心なのが、このスロージェットの穴から溶剤を送って、
スロットルバルブの下部のちっこい穴から出て来ないと、中域が失速するコンディションとなってしまう。
これをチェックし忘れると、キャブ洗浄、すべてがやり直しになるので、慎重に進めたい部分だ。
あとは全体にキレイにして完了。
組み上げて車体にまたくっつけて、エンジン始動確認を行うという流れになる。
しっかし、無骨な作りだ。
軽症なキャブ詰まりの場合は、車体にくっつけたまま、ダイヤフラムを分解し、上から溶剤を吹き付けて導通させるという荒業もあるので、一度、それを試してからでもイイのかも知れませんね。
一度、挑戦してみてください。
ではでは。
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