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【マニュアル】セピア・RS・セピアZZのRブレーキ固着をマフラー外しからちょー簡単な方法で教えます
絶版車のスズキ・セピア初期型(CA1EA)ですが、今回の作業は、リアブレーキの固着を直すレクチャーです。
リアブレーキのメンテナンスには、脱着の流れがあります。
1)マフラーを外す → 2)リアホイールを外す → 3)ブレーキシューとアームを外す
この3ステップで作業を進めます。
ただし、このセピアやアドレス2スト系は、これにプラス、エアクリーナーボックスも絡みがありますので厄介ですが、画像をよーく見て進めて貰えば、意外と簡単ですから。
進める上で、セピアのグレードなどを解説しますね。
スタンダードセピアのCA1EA、フロントディスクブレーキ&リアスポ付きのセピアZZのCA1EB、後期型ZZのCA1ECがあります。
セピアZZ系は、マフラーがチャンバー形状になっているのですが、概ね脱着方法は同じです。
さらに、モデルチェンジしてからの、スタンダードセピアがCA1HA、フロントディスクのセピアRSがCA1HB、リアスポ付きセピアZZがCA1HC、これに至っても、ほぼ同じ手順となるので、セピアシリーズ全般に対応できます。
では早速やってみよう。

このセピアですが、とてもマフラーエキパイ部が見えにくい。
そこで、思い切って車体を寝かしてみた。
この方法、ガソリンの漏れ防止さえやれば、かなりオススメな方法ですから。
ぜひ、DIYメンテでも実践してみて下さい。
エキパイ部を覗きます。

ひどい錆びですね。
これはスズキの塗装技術の品質が悪いことを意味しています。
エンジン部との付け根のナットもサビサビなのがわかりますかね?
メッキの品質も悪いんです、スズキは。
いちいち品質が悪いので、放置したセピアなんて目も当てられません。
なんとかして、この10mmナット、または年式によっては、5mm六角ネジを外しましょう。
各年式によってこの2本の留まり方が変わるのも、わたしが一番キライなメーカーなゆえんです。
いずれにしても、ネジを舐めると大変なことになるので、もし、サビサビであれば、高い金を出したとしても、プロにお願いするのもアリです。

次に、エアクリボックスを外します。
いや、正確に言うと、外しませんが、緩めてフリーにします。
空冷ファンカバー辺りに留まる2本の#3プラスビスを外します。
純正はディフィーザーが付いていると思います。

今度はマフラーと留まる10mmネジを外します。
これである程度フリーになります。

エアクリボックスをキャブのダクトホースを支点として跳ね上げます。
そうすることで、マフラーボルトが見えて来ます。
この12mmボルトを2本外します。
車体は寝かしちゃってるので、この時点で外してもゴトっと下に落ちる心配が無いのも、楽ちんな方法です。

とは自然に外せる方向で外そう。
これでマフラー外しは完了。
マフラーの交換の際は、この作業でOKだろう。
次のステップとして、タイヤ・ホイール外しに進みます。

センターナットの22mmナットを外す。
この場合、インパクトドライバー、または、インパクトレンチを使って外す。
オススメはHIKOKIのマルチボルトタイプだ。





ナットにはワッシャーがセットになってるので、無くさないように。

これでタイヤ・ホイールが外れた。
もし、タイヤ交換をする場合は、これで遂行できるだろう。
今回は、さらに奥、ブレーキ固着を直すので、ブレーキシューを確認してみる。

これがブレーキシューだ。
このシューを内側に畳むようにして外します。

こんな感じにして外すのがコツだ。




ここが固着の原因だ。
マイナス形状のブレーキライニングシャフトが回転して縦になることにより、ブレーキシューが開くという原始的な構造だ。
このシャフトが錆びついて動かなくなると固着が起こるわけだ。
そこで、まず、ブレーキケーブルを躯体から外します。

ちょうどホイールを外しておくと見やすいのだが、#3プラスネジで、ブレーキケーブルがクランクケース躯体に留まっている。
これを緩め、外す。
外さないまでも、緩めるだけでもOKだ。
これを緩めれば、ひとまず、ケーブルをブレーキアームから抜くことができる。

ブレーキアームからケーブルを抜いたら、支軸に留まる10mmナットを外す。

裏からボルトが通ってるので、これを完全に外しちゃいます。
理屈では、これでアームがシャフトから離脱できることになる。
ただし、空間的に余裕が無くて、この時点では外れないはずだ。


ロッキングプライヤーで鋏み込み、ぐりぐり回しながら引っこ抜きます。

これがなかなか固いんです。
このブレーキライニングシャフトを抜くことで、自動的にブレーキアームも外れるはずだ。
あとはこの穴の中に注油して、シャフトを挿し直し、ぐるぐるとなじませる。
すると、それまで動きが渋かったのがウソのように、軽く動くようになるはずだ。
こうした鋳物成形物に見られる、アルミ錆びが原因で、固着する。
そのアルミ錆びは、油を挿すことですぐに改善するので、一度油を入れておくことで、当面は大丈夫であろう。
いかがだったろーか?
この作業全般、車体を寝かしていることで、かなり楽に遂行できたのではないだろーか?
変に車体を台に載っけて持ち上げたりするだけじゃなく、やりやすい態勢にしてから作業をすると、ネジ舐めや確認忘れなども防止できるはずだ。
これは、セピアに限らず、最近の4ストバイクにも有効だろう。
ではでは。





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