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先日入庫したグランドアクシス(SB01J)ですが、2スト時代の原付二種バイクで、そこそこ売れたモノではありましたが、今はほっとんど見ませんね。
修理内容は、放置パックだったのですが、その作業過程でフロントブレーキパッドが消耗しており、ブレーキを掛けると、ゴーゴー!と前輪が唸るとの症状。
つまり、パッドが無くなって、ディスク板を削っているわけですね。
危険です。
このブレーキメンテをレクチャーしたとしても、なかなかメンテ素人ユーザーが手出しできるモノではありませんが、何事も知ることで、トラブル時の知識となり得ますので、一度目を通しておくとイイと思います。
もちろん、実践してみたい!というユーザーもおられるでしょうから、そこは最低限の作業をする上で、充電式のインパクトドライバーぐらいは欲しいかな とは思っています。
前後12インチのハイホイール車ではあるのですが、フロントディスク板は50ccを同じ径を使っている上、キャリパーもワンポッドです。
制動力がそれほど強くはないのですが、ワンポッド特有のパッドの片減りは多く発生します。
今回、キャリパー側にフューチャーしますので、マスターシリンダー側のメンテナンスは紹介しておりません。
同時にマスターシリンダーの液調整もやらなければならないということもあるのですが、まずは、パッド外しまでをやってみたいと思います。
まずは、キャリパー脱着作業です。
キャリパーはフォークに装着されています。
12mmボルト2本を、反時計回りで外します。
キャリパーステイと留めるだけなので、それほど長いボルトではありません。
そのまま、スライドさせるように後方にキャリパーを外して行きます。
少し硬いと感じる場合は、プラスチックハンマーなどでアクションを起こしてあげると、だんだんと外れて来ると思います。
キャリパーが外れたら、ブレーキパッドの減り具合が目視できると思います。
もう末期ですね。
さて、その末期のブレーキパッドを外して行きましょう。
裏側を見ると、5mm六角ネジが見えます。
これを外してパッドを外すのですが、外れ止めのピンが入っています。
脇から差し込むタイプの外れ止めピンを引き抜きます。
反時計回りで外します。
この時、手回しのヘキサゴンレンチは、ハッキリ言って難しいでしょう。
機械工具、インパクトレンチなどで、ビュン!っと一発で回すことにより、左手でキャリパーを押さえる力が一瞬で済みますので、とても便利です。
お持ちのユーザーは、必ず、電動工具を使いましょう。
こうして浮いて来たシャフトを引き抜きます。
この個体はそれほどサビていませんが、もし、サビサビの場合は、ペーパーヤスリを使って、擦って置きましょう。
これでブレーキパッドが外れるはずです。
次に、キャリパーアングルの動きを確認してみます。
キャリパーアングルとは、キャリパーをフロントフォークに留めるためと、キャリパーが確実にディスク板のセンターに来るように微調整するための、いわばガイドです。
このガイド的役割があるキャリパーアングルが、しっかり左右に動く状態じゃないと、ブレーキパッドの片減りが生じてしまいます。
外してみると、グリスもたっぷり生きている状態ですし、動きも手で軽く動くので、ひじょうに良好でした。
アングルを反対方向におっぺしておいて、次に、キャリパーポッドの汚れを確認します。
薄サビが出ていますね。
このサビとゆーか汚れは、ワイヤーブラシで磨くことで落ちるレベルです。
ステンレスのちょっと硬いワイヤーブラシを使うと楽ちんです。
これぐらいになれば、イイと思います。
この工具がポッドを回転させる道具です。
握ることで真ん中の滑り止めが付いたガン玉が開くという仕組みです。
中で開いてグリップさせて回転させ、汚いところを正面に持って来て、また磨くという繰り返しで、キレイにして行きましょう。
次に、この特殊工具。
パッドが減ったいた状態だとポッドが飛び出しているわけですよね?
それを新品パッドが入るように引っ込める、ブレーキキャリパーピストンツールです。
ネーミングが長い!
ネジ込む力を使って圧縮して行く仕組みです。
持ってなければ、プライヤーでぜんぜん代用できます。
引っ込みましたね。
最後までしっかりセットして、新品ブレーキパッドを装着しましょう。
忘れてはイケないのは、このポッドを引っ込めると、油圧ブレーキの特徴で、マスターシリンダー側にフルードが戻ります。
つまり、ポッドが出た分、マスターからは液が減り、引っ込めたらマスターでは液が増える ということ。
過去にブレーキ液を足したことがあれば、ポッドを引っ込めた時点でマスターから漏れる可能性もあるので、注意が必要です。
最後に、減ったブレーキパッドと新品ブレーキパッドの比較を見て頂きましょう。
正解を知って居なければ、悪いところもわかりませんからね。
約5~7mmぐらいのパッド厚みがあるモノなんですが、減っているモノを見ると、ほぼ0に近いのがわかると思います。
ここまで来ると、ブレーキをかけることで、ゴーゴー!と轟音を出すようになります。
精神衛生上ということもありますが、ここまで来ないうちに交換することが望ましいでしょうね。
どうでしたか?ブレーキメンテ?
難しかったかな?
ブレーキともなると、なかなかDIYメンテは難しいレベルになりますし、ムリに自分でやろうとしないでもイイと思います。
まずは知る。
それぐらいでイイのかなとは思っています。
ではでは。
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