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【マニュアル】2スト原付ヤマハキャリパーのブレーキパッド交換をDIYでも出来る取扱説明書
いやー 一昔前のブレーキキャリパーだー!
ハッキリ言って、今回のこの作業、キライです。
ただいま入庫中のアクシス90のブレーキパッド交換を工場で作業中です。
ヤマハの2スト原付バイク、それも、フロントがディスクブレーキのタイプに採用されていた、いわゆる金色に塗られたブレーキキャリパー。
その後、ブレンボブランドを使った、ヤマンボキャリパーと変更となるのですが、それより以前に採用されていたヤマハのキャリパーが厄介。
作業がしにくい部類に入り、とにかく、ブレーキパッドを入れ替えるのに細かい動きが必要で、夜間作業などは嫌気がさします。
細かすぎて画像で伝わるかわかりませんが、おおむねの流れを解説してみたいと思います。
今回の車両個体は、アクシス50/90 に装着されていたモノです。
このキャリパーですが、その時代のヤマハ原付に多く流用されています。
ジョグスポーツ(3RY)・ジョグ90(3WF)・ジョグEX(3YK)・ジョグ(SA04J)・ジョグ(SA12J)・アプリオEX(4LV)・アプリオタイプⅡ(4LV)・BW’S(SA02J)・グランドアクシス(SB01J)など。
さらに、単車に至っても、リアブレーキキャリパーに採用されているケースもあります。
広く使われているキャリパーですが、車体への取付法は若干違う部分もありますので、あくまでキャリパーへのブレーキパッド交換法として確認して頂くのが宜しいかと思います。
まず、外から見て確認するべき場所です。
このフォークとタイヤの合間、ディスクを挟み付けているのがブレーキパッドです。
このパッドの肉厚を確認するところから始まります。
明らかに、薄いと感じるようであれば交換します。
薄いかどうかわからない!という場合も、結局パッドを外して確認するのが一番です。
さて、キャリパーを車体から外して行こう。
脇から見て2本の12mmボルトを外す。
ブレーキホースをフォークに留める、赤丸の10mmネジを外すとクリップアングルも外れます。
キャリパーはすっと後ろに引けるならば、そのまま外そう。
もし、引っかかるようであれば、引っ叩く。
叩くのはココ。
やや斜め上方向に引っ叩くとすんなり離脱できる。
もうこの時点で、パッドがぽろって取れましたね。
ま、これが厄介な部分なんですけどね。
そのブレーキパッドを確認してみよう。
新旧ブレーキパッドを確認してください。
どこが肉かわかりますかね?
パッドは2層になっていて、躯体の鋳物部 に フェノール樹脂であるパッド部(肉)を圧着している構造です。
昔は熱にも強く耐久性もあるアスベストという材質を配合したのですが、人体に影響あることから禁止され、今はノンアスベストが主流である。
古い方は、この肉の部分が完全になくなっているのがわかりますね。
こりゃ、すぐさま交換です。
まず、スライドアームを外します。
このゴムカバーがあるアームを引きます。
あまり固着しているのを見たことが無いが、もし固い場合は、プラハンかなんかで叩いてみよう。
外れると、こんな感じだ。
このスライドアームがイイ動きをしないと、ブレーキパッドの引きずりを引き起こすこととなる。
そして、気になるのは、ココ。
円筒状のモノが、キャリパーピストンと言います。
このピストンは、ブレーキパッドが装着されていない今の状態でブレーキレバーを握って行くと、ぽこんと外れてしまいます。
それは油圧という力で、ピストンが動いているからです。
このピストンの肌を見て、汚れているだけか、サビサビなのか?を判断しよう。
この画像の状態だと、ただ汚れているだけだ。
この汚れを、ボンスターを使って落として行くとしよう。
言わずと知れた「ボンスター」だが、広くはキッチン用品であり、鍋やフライパンなどの焦げ付きを落とすツール。
厨房でも広く使われており、その信頼性は折り紙付きだ。
これを少しだけちぎって、ラジペンで鋏み、ピストンの肌を磨くのだ。
シャカシャカシャカ
こすりつけるようにやってみよう。
するとどうだろう?ぴかっと光って来たでしょ?
錆びちゃいなかったでしょ?
これぐらいになればOKです。
あとはちょっとラスペネでも塗布しておこう。
このピストンを戻すツールがあるんです、わざわざ。
キャリパーピストン戻しツール?って言うんだっけかな。
実はネットで発売されているモノは、ほとんどが四輪車用で、原付バイクには使えないんです。
そこで、こうやって外側から挟み込めるように工具を改造してあるんです。
ま、実はあんまり使わないんですが、レクチャー撮影なので、ごそごそと出して使ってみました。
こんなの使わなくても、プライヤーでも十分です。
戻りましたね。
こうして完全に沈めて置かないと後でディスク板に組み込めなくなりますんで。
あ、このピストンを沈める時に注意しなければならないことがあり、マスターシリンダー側のフタを開けて置くのがイイでしょう。
油圧ですから、ピストンを押し込めば、マスターシリンダー側に液が戻って来ます。
戻るとどうなるかというと、液面が上昇するわけです。
つまり、フタを締め切っておくと吹く可能性があります。
ちょうどこぼれない程度の液面であればイイと思います。
液面が上昇したブレーキフルードが汚れていれば、ここで出て来た分だけティッシュで拭き取って、新しい液を入れてあげるのもイイかも知れません。
新しいブレーキパッドを入れて行きます。
ピンにハメないとなりません。
ここが、画像でわかるかな~
脇についているピンが外れたままじゃなく、パッドとキャリパーの間に入れてあげて、スプリングのような役割を果たすのが正しい装着法です。
ピストン側を入れて見た様子です。
脇のピンの使い方を把握しましょう。
同じように反対側も入れ込みます。
脇のピンがしっかりパッドを反対側に押し付けているのが理解できますね。
こうすることで、パッドから手を離しても外れないわけです。
あとはすっとディスクに滑り込ませるように装着します。
しっかりとピストンを沈めておいたので、パッドとパッドの間に余裕があり、すんなり入れることができるんです。
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