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【マニュアル】プロが教える駆動系分解法!シグナスX(SE12J)のプーリークラッチをチェックする!
さて、今回はメンテナンスマニュアルです。
原付二種のユーザーが増えました。
一昔前は特別な存在とも言えましたが、ふつうに女の子のユーザーもあったりと、いよいよ原付二種に重きを置いた営業スタイルも必要な気がしました。
もちろん、原付50ccよりも頑強にできています。
パーツひとつとっても、スチールやアルミ材料の厚みが違うので、それだけ大きな力は必要にはなるのですが、基本構造は、原付50ccと一緒。
かなりの遠方から通勤に使われているユーザーも居ることから、特に駆動系の劣化は大したもんです。
そこで、今回はシグナスX125(SE12J)の駆動系のバラシ方をやってみたいと思います。
特に、どこを交換するような作業ではありませんが、バラシ方が理解できれば、交換方法と直結しているので、参考になるかと思います。
ハッキリ言って、手動工具では歯が立ちませんので、電動工具が必須となります。
特にガッチャの場合は、バイク屋がよく使うようなエアーツールってのは、一切使いません。
ホースが邪魔くっさいねん。
マキタやHIKOKIという、いわゆる建築で使う、充電工具を使います。
今どきは、マキタは40V、HIKOKIは36Vとハイパワーで、エアーツールと大差ありません。
しかもコードフリー。
オススメの電動工具はHIKOKIで、マルチVバッテリーになっていますので、下位電圧でも使えるというのがメリット。
つまり、18Vや14.4VのHIKOKIならば、36Vバッテリーが勝手に内部で電圧を下げて同一で使えるという優れものなんです。
マキタが40Vということで、ハイパワーを語っていますが、通常Vは36Vなんで、実はHIKOKIと変わらないんですね。
ガッチャオススメのハイパワーインパクトドライバーを紹介しておきますね。
さて、作業を進めて行きましょ。
もちろん、理解はしていると思いますが、車体をまたいで左側にある樹脂ケースの奥にあるのが、駆動系心臓部です。
この黒いカバーは、クランクケースとは言わず、クランクケースカバーのカバーです。
いらねーよ!んなもん!
はい、本来は必要ありませんが、金属むき出しがメーカーはキライなんでしょうね。
少しでも体裁を良くしたいので、こーゆーわけのわからんパーツを付けたがります。
一挙に行きます。
#3プラスネジ、5本を外します。
ブロバイホースが絡んでいるので、かわしてください。
ここまでレクチャーするとは、丁寧なブログですな。w
これで樹脂カバー類が取れるはずです。
ネジを見せておくと、こんなネジで留まっていました。
外したところのネジは、しっかり覚えておきましょーね。
おい!ヤマハ!とにかくクランクケースを大切にし過ぎてねーか?
ネジ多いねん!
10本の10mmボルトで留まっていますんで、全部外します。
クランクフィルターカバーは、わかりやすいように外してありますが、通常は外す必要性はありませんので。
これがクランクケースカバーを留めるネジです。
かなり特殊なネジなので、無くさないように。
おそらくパッキンが張り付いているので、少しプラハンかなんかでアクションを起こすと、すんなり取れると思います。
コロン!って感じに取れるはずです。
中身、意外とキレイですね。
クランクケース裏のキックギア辺りをチェックしましょう。
このキックギア根元のプライマリーギアの部分にグリスが切れていると、キックが固くなります。
緊急時にはキック始動となりますので、外したついでにグリスアップしておきましょうね。
もうココからは、電動工具でしかムリです。
まずはプーリー側の19mmナットね。
反時計回りにビュン!と一挙に緩めて外します。
ナット、ワッシャー、キックギアの順番で取り付けてありましたね。
ドリブンスプロケットを外します。
アルミ製なんですが、これ、改造もんかな?
ちょっと不明なんですが、そのまま進めます。
ひとまず、プーリー側はこれでストップ。
次に、クラッチ側に行きます。
また、反時計回りで一挙に緩めます。
19mmナットです。
クラッチの方が強く締まっているはずなので、片方の手で押さえつつやるのがコツです。
これもワッシャーがかましてあるので、あとで忘れないよーに。
これ、すんなり外しているようですが、わりとプラハンで叩きながら外しました。
ギアシャフトにスプラインというスジが切ってあるのんですが、熱で張り付いていることが多いので、アクションを起こしながら外すのがコツです。
ベルトごと、クラッチユニットを外します。
これはすんなり取れると思います。
クラッチのチェック方法は、クラッチシューの減り方チェックとなります。
このシュー部分がガン減りしていると、加速感が薄くなる要因となります。
あとはベルトのチェック方法ですが、こうやって裏返しにしてみて、大きなひび割れが無ければOKです。
この個体はなかなか程度が宜しいようです。
再度、プーリー側に戻り、プーリーボスを外します。
プーリーとプーリーフェイスを外します。
さらに、ウェイトローラーのチェックに入ります。
しっかりと丸を保っているようなので交換は必要ないレベルですね。
これが片減りしていたり、粉砕していたりすれば交換しちゃいましょう。
はい、これでバラシ完了。
駆動系のオーバーホールももちろんですが、弱いギアベアリングの交換などの際にも必要になる作業なので、参考にしてみてください。
とにかく注意したいのが、手動でむりくりやってしまった場合の、締付けトルクの不具合です。
手動では原付二種の駆動系の組付けはムリです。と断言しておきます。
ガッチャでは、多くのそうしたDIYメンテトラブルに対応して来たのですが、その締め付け方が弱くて廃車にしたバイクも少なくありません。
クランクシャフトがぐるぐるに舐めたら、コスト的に、ほぼほぼ廃車なんで。
電動工具がなければやらないほーがイイです。
必ず緩んで大事故に繋がりますので、電動工具でも18V以上を使ってください。
では。
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