基本の「き」としたのは、フロントカバー脱着作業だからです。
原付バイクのメンテナンスの基本として、メットインボックス外しと、今回やる、フロントカバー外しがあります。
なぜ基本なのか?というと、とかく世の中のユーザーが苦手とする電装系トラブルのいろんなパーツが詰まっているのが、このフロントカバー内だからです。
個体はジョグ4スト(SA39J)ですが、例に漏れず、電装系が詰まっております。
ジョグは4サイクルになってから、マイナーチェンジを数回行っており、型式が、SA36J→SA55J→SA57J とチェンジしています。
その型式チェンジは、いずれも排ガス規制による、排出ガスに対応した変更で、機能的な追加などは、ほぼありません。
整備方法も、すべての型式に共通して行えますので、今回の脱着法も、同様に活用できると思います。
その他にも、ZR(SA39J・SA56J・SA58J)ジョグデラックス(SA39J・SA56J)ジョグプチ(SA36J・SA55J)なども、すべて同じです。
フロントカバー外しは、ヤマハに多く出るメインキートラブル時にも、しっかり使える作業なので、一度見ておいて損はないと思います。
使う工具は、プラスドライバーと、あとひとつちょっと特殊なトルクスドライバーがあります。
早速やってみよう。

まず、フロント正面の#3プラスネジを外す。
大きいプラスドライバーを使わないと舐めますよ。

インナー側に廻り、肩の部分に前述のトルクスビスが留まっています。
トルクスタイプは、ノーマルタイプとイジり防止タイプとあるのですが、前者の場合は、マイナスドライバーか、六角レンチで代用することができます。
ジョグの外装によく使われるトルクスタイプは、イジり防止では無いので、特に専用のトルクスドライバーは不要です。










トルクスビス形状です。
マイナスが入りそうでしょ?

次に、ちょい下側に目をやると、ちょうど膝の高さぐらいに#2プラスビスがあります。
これ、左右両側にありますので、計2本外します。
ツメを剥がす時は、肩の部分から指の力で引っ剥がすとうまく行きます。

ちょっとボケちゃいましたが、全体的に前方に引き剥がすとすんなり外れます。

フロントカバーが外れると、いかがでしょう。
かなりの電装系パーツが詰まっていますよね。
ホーンの下にある白いパーツが、フューエルストップセンサーと言って、転ぶとエンジンに燃料を供給するのを停止する安全装置です。
つまり、このパーツの不具合により燃料噴射しない時もあります。
その下にあるフィンが付いているのが、レギュレター。
その隣がウィンカーリレー。
さらに下、フロントカバー先端部に装着されている配線がいっぱい来ているパーツが、ECUと言って、電子制御されているすべてのパーツに対してここから指示を出しています。
エンジン・コントロール・ユニット の略、ECUと言います。
また、ヤマハの場合、このECUが故障しているケースが多いこと。
フロントカバーのこんな先端部にあるのもダメですよね~
何かっちゃぶっつく可能性があるフロントカバー先端部ですから、衝撃を受けやすく、エンジンからの配線が遠すぎるのも、どこで接触不良を起こしているか、わかりにくいのも良くない。
ま、とにかく、こんな感じに電装系の宝庫が、フロントカバー内ってことです。
これが基本の「き」という所以ですね。
ではでは。