先日入庫したグランドアクシス(SB01J)の駆動系、特にリア駆動ギアシステムに「ゴー」音が出て来たので、オーバーホール案件が入った。
この車種、駆動系をイジるのは、ハッキリ言って厄介です。
工程が多いんです。
画像点数が多いので、大好きな雑談をすっ飛ばして・・・w たんたんと解説して行こうと思います。
グランドアクシスの駆動系をイジる=その1=は、クランクケース分解法です。
面倒な工程もいっぱいあるので、やる前に一度予習しておくのが得策かと思います。
工具はプラスドライバーと六角レンチの5mm、10mmソケットレンチなどが必要です。
さっそく順を追ってやってみよう。

真横から見て#3プラスネジを3本外す。
これは、クランクケースカバーの樹脂カバーを外すための工程だ。
ハッキリ言って余計なパーツ。
真ん中の1本はキックレバーに隠れているが、下ろした状態だとアクセスできる。

さらに、キックレバーを外すために芯棒の10mmネジを緩める。

反時計回りに緩め、ネジを完全に外す。
ただ、ネジを外したからと言ってレバーがすんなり外れてくれないのがヤマハ車。
そこでこんなプライヤーを用意しよう。

先端が30度曲がったL字ロングペンチ。
ホームセンターなどで容易に手に入れることができるのだが、1000円満たない金額で買えるはずだ。
このために買う!?とお思いだろーが、原付バイクイジりには、必須アイテムなので、他のメンテにも大いに活用できるので、買っておいて損はない。






てこの原理だ。
芯棒にしっかりハメて、車体側にこじれば良い。

いともカンタンにレバーがスプラインを滑って外れてくれる。

はい、これでキックレバーが外れました。
晴れてクランクケースカバーのカバーを外すことができます。

樹脂もカッサカサ状態なので、少しタイヤワックスなどを塗布しておきたいところだ。

外れると、今度は見慣れないワイヤーケーブルが見えて来た。
これはGロックレバーと連動している、後輪ロックレバーのインナーケーブルの出口だ。
メインキー部分のGロックレバーを引くと、後輪がロックされる防犯装備の仕組みだ。

どちらのナットでもイイが、反時計回りに少し緩めてみよう。

これでケーブル調整部が離脱できる。

あとはケーブルのガン玉部分を、切り込み部を合わせた上で手前に引くとケーブルを外すことができる。

外れましたね。
はー もう、ここまでで疲れちゃうね。

このGロックケーブルがクランクケース前方付近で留まっているので、#3プラスネジを緩め、外す。

なんだか複雑な形状だが、付いていた形状をよーく覚えておくか、画像を見直せば、後で同じように組めるだろう。
こーゆー直感的にどう付けるのが正解か わからんよーなパーツを使用して欲しくないよね。

まだやることあります。
クランクケース内部のゴミを吐き出すダクトが付いているので、このダクトバンドを外す。
#2プラスで、最大限緩めておくのがイイだろう。
ネジ部をバンドから外すと、それはそれで厄介なので、緩めておくだけでOK。

これでやっとこさ、クランクケースカバー本体の分解に取り掛かる。
六角ネジ5mmの前方7本を外す。




さらに、後方の5本を外す。
なんとっ全部で12本で留まっているとゆー脅威の煩わしさ。

エアクリーナードランホースを外す。

おそらくガスケットパッキンが張り付いていて外しにくいとは思うが、プラハンでアクションを起こしながら外してみよう。
外れない場合は、ネジの外し忘れが無いかチェックだ。

キックレバーギア廻りのこの辺を掃除機か、エアーガンでベルトカスを掃除しよう。
ベルトカスは蓄積するとギアの動きが悪くなるので、清潔第一だ。
掃除したら、グリスアップするのが最高。





やっと外れましたね。
工程が多いでしょ?
いちいちめんどーな構造をしているんです、グランドアクシスは。
4ストになってシグナス系の方がよっぽど取っつきやすいですね。
ま、それだけに手つかずの場合もあり、駆動系が劣化していることも考えられますので、外したついでにしっかりメンテナンスしましょー。
次は、駆動系パーツを外して行きます。
ではでは。