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2stディオのクラッチドリブンフェイスがサビサビでヤバイ!パーツ交換なしで直すコツ!
こうしたテクニカルブログを書いていると、これを見たというお客様が信頼なさって、古めの原付バイクをご依頼してくるケースが多々あります。
その期待にはもちろん、応えたいと思っているのですが、なにぶん、古いバイクはパーツが出るか?バラして致命傷だったら?など、リスクが伴います。
今回、入庫のスーパーディオ(AF27)も、バラしてびっくり!
ほぼ、駆動系がサビで固まっている状態でした。
今回も女性のお客様ということもあり、メカニカルな部分はまったく知識がなく、押し歩き時に後輪がやたらと重たいということが、あまり伝えられなかった印象です。
現着で、ブレーキ確認は固着なし。
あとはギアか、クラッチか と思っていたが、駆動系がひどかったわけですね。
ま、でも、ギアじゃなくて良かった。
もっと面倒ですからね。
ということで、まずは、エンジンには火が入っているようなので、駆動系を先に直して、工場の中を軽く押し歩きできる状態にしちゃわないとなりません。
このクラッチ系作業ですが、ディオの2スト系は、ほぼほぼ対応します。
ディオ、ディオSR、スーパーディオ、スーパーディオSR、スーパーディオZX、ライブディオ、ライブディオSR、ライブディオZX とあとは、流用パーツを使っている、タクトやジョルノなども同様です。
クラッチシューはむしろ無傷。
まったく問題ないというか、状態はイイ方でしょう。
ただし、フェイスがひどい。
これでは、ギアチェンジしません。
というか、サビがヤスリ状態になって、ベルトを削ってしまうでしょう。
中古品をあさったのですが、あんまりイイ部品が無いので、分解してサビ落としを行うことにしました。
クラッチ押さえ?という工具です。
本名、なんだっけかな・・・クラッチホルダーコンプレッサーとでも言うのかな?
クラッチスプリングが、クラッチを広げようとしている力がかかっているので、これを抑える役割です。
あんまりギューギューっと抑えつけなくて大丈夫です。
万力に挟み込んで、クラッチナットを外します。
スプリングを抑えておかないと、このナットを外した瞬間にびよーん!って分解します。
これで、クラッチを分解させます。
次に、このスプリングの皿受け部分を引き上げます。
マイナスドライバーなどを使った方がイイかもです。
スプリング皿受けが取れます。
すると、グリースが詰まった斜めに入った穴が見えるはずです。
ここです。
これ、溝になっているのですが、グリースが詰まっているだけなのです。
この溝をなぞるように、ポッチがハマっているので、これを外します。
プライヤーでカンタンに外れます。
すると、フェイスが外れ、サビ落としができるようになります。
ある程度は機械を使って、あとは手で紙ヤスリを使って擦ります。
もちろん、新品交換が望ましいのですが、あのクラッチシューの減り方からすると、走行距離が短いと判断できます。
ならば、フェイスもサビているだけで、もともとはイイ状態だと思うので、ここはサビ落としを選択したということです。
最終的に、このぐらいまでサビが落ちれば、ベルトも傷めることも無ければ、変速もスムーズに行われます。
これで一週間も走り回ると、驚くほどキレイになってるので、あとは摩擦がなんとかしてくれるでしょう。
この後、もちろんベルト交換と、プーリー側の掃除をして、組み上げて完了しました。
やはり、なかなか調子の良いスーパーディオだったらしく、最高速63km/hはコンスタントに出ていました。
まだまだ、2ストディオも、直すと元気がイイですね。
それでは、また。
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