今、入庫している修理車両の中から、自損事故によるフロントステムが歪んでしまって、まっすぐ走れなくなってしまった、ズーマー(AF58)があります。
ステム交換をしなければなりませんが、その前に絶対にやらないとならない作業が2、3、ありますので、マニュアル化しました。
その第一ステップの、タイヤ・ホイール脱着法を今回やってみたいと思います。
ちなみに、勘違いがありますとイケないのでしっかり書いておきますが、ガッチャでは事故車修理の場合、保険対応となる場合は修理不可です。
なぜなら原付バイクの事故は、9割の案件が全損扱いとなり、相場価値判断により支払いが保険加入者に支払われるだけなので、修理代として保険が下りることは無いからです。
つまり、全損扱いになったにも関わらず、修理をしたいとなった場合、怪我をした本人さまから、見積もり手数料やレッカー代、修理工賃、パーツ代、納車費用などを頂かないとならないわけで、自腹で払うわけもなく、もともと成約しないからです。
その場合、ガッチャは工場のスペースを取られたあげく、見積もり損となります。
とゆーことで保険会社が絡む事故対応はやっておらず、自損事故で修理代をしっかりユーザーが払って頂ける場合のみ、晴れてお客様となります。
さて、今回のタイヤ・ホイール外しですが、ズーマーは、2タイプあります。
型式は一緒ですが、キャブレタータイプの前期型 と インジェクションタイプの後期型ですが、脱着作業の流れも一緒なので、どちらにも対応します。
下で解説していますが、車体を浮かせて置ける「馬」があると便利ですよ。
ガッチャでは木板で自作で作ってしまっています。

こんな形状の馬です。
垂木を適切に切って、上下に台座になる木板をビス留めしただけのモノです。
ホームセンターに行くと、端材コーナーなどにこうした端材が10円とかで買えるので、注意して見ると、なんか作業に役立つモノが作れるかも知れません。

ステムが曲がってるんですよねー このズーマー。
真横から見るとわからないんですが、ねじれてるんです。
乗ってると左に左にと、曲がって行きます。
一応、ケーブルの解説をしておくと、ブレーキケーブルとメーターケーブルが走っているので、あとでブレーキライニングごと外すことになります。

まずホイール右側を見ると、長いホイールカラーがあります。
この中にシャフトが通っています。
シャフトナットは17mmとなります。
ガッチャではインパクトドライバーを使います。








反対側のシャフト自体のボルトは12mmになりますので、ソケットレンチなどで押さえつつ、インパクトで反時計回りで緩め、ナットを外します。

ナットが外れたら、シャフトの頭をロッキングプライヤーで掴み、そのまま引っこ抜きます。

このシャフト表面にサビが出やすいので、組み込み時はグリスアップしておきましょう。

この時点でフロントを浮かせます。








あとはケーブルが装着されたまま、ブレーキライニングアッシーを外します。
するとタイヤ・ホイールが外れます。

これでフロントフォークオンリーとなりました。
次回は、この次の作業として、フロントフォークの抜き方をやってみたいと思います。
外したブレーキシュー表面や、シャフトがサビていたら、シャフト表面などをしっかり掃除しておきましょう。
ホイール側のブレーキ室もシューカスがたっぷり詰まっているはずなので、こちらもキレイに掃除しておきましょう。
ではでは。