今回はメンテナンスマニュアルです。
絶版車、代表格のジョーカー50/90(AF42・HF09)ですが、ブレーキをかけると、ギャー!っと大きな音が鳴るという案件で入庫。
様子を見れば、フロントブレーキパッドが減りまくって限界点に到達している始末。
これはパッド交換ですね。
ただ、古い機種ではあるので、何が起こっているかわかりませんので、慎重に作業を進めるべく、どうせならマニュアル化してみました。
今回、フロントブレーキパッドをキャリパー外しから行うのだが、この作業、同パーツを流用するリード50/90(AF20・HF05)にも対応可能だ。
まずは、今の状態を確認する。

これがブレーキキャリパー本体です。
フォークに直接ではなく、サブアームに対して装着されているのがわかるだろうか。

パッドを真下から確認すると、こりゃダメですね。
ディスク板もガリガリ削っちゃってますね。
ただ、このぐらいならなんとかブレーキとして機能はするので、パッド交換でしのぎましょう。

まず、このメッキカバーを外します。
装飾パーツで機能的に役割はありません。
リードの方には付いていませんね。
10mmネジで、左右両側を外しておきましょう。

カンタンに外れました。

キャリパー取り付けボルトを外す前に、このパッドシャフトを外しておきましょう。
マイナスドライバーが要ります。

反時計回りで緩ませ、外しちゃいます。

これはただのカバーなんです。
この中に、六角6mmのシャフトが留まっていますので、これを最終的に外すわけなんですが、パッドが取れちゃって厄介なので、緩めるだけにしておきましょう。

この時点では、緩めるだけでOKです。

サブアームの12mmボルト、タイヤ・ホイールシャフトの19mmナットを外す。


シャフトはこのぐらいズラしておけばOKです。

このブレーキキャリパーボルトは、緩み止めを塗ってあるぐらい固くしまっているので、機械を使う方がイイかもね。

キャリパーをディスク板から離脱させます。
コツは、後方に向かって力を入れるとすんなり外れてくれます。

先ほど緩めたパッドシャフトを抜きます。
構造を実際に見て確認して頂くとわかると思うが、このシャフトにブレーキパッドは通してあるということです。

これでキャリパーからパッドが外れました。

キャリパーピストン側には、スチール板が装着されています。
これは、減るとディスク板に当って、シャー!って、わざと音を出す仕組みになっています。

分解するとこんな感じですね。

さて、キャリパー側ですが、限界点までパッドを使用したので、キャリパーピストンは出まくっています。
これを引っ込めるのですが、まずは、露出している部分のサビ取りをします。

ボンスターを使います。

適当な大きさにちぎり、ラジペンに挟みます。

これで、ピストンの廻りをとにかく磨く。

ちょっとやっただけで、ピッカピカになるはずです。

ま、このぐらいピカピカになれば、シールを傷つけることもないでしょう。

ブレーキキャリパーに使用する、キャリパーピストン引っ込めツールです。
正式名称、なんだっけかな・・・
ネジの力で、ピストンを引っ込める工具なんですが、引っ込めれば、ブレーキフルード側で逆流が起こるので、そっちのチェックも忘れないように。
今回は、ブレーキマスターシリンダー側はノータッチで行きます。
後日、エアー抜きやなんかと専用でやりますんで。








引っ込みましたね。
いつもはプライヤーでやっちゃうんですが、今日はお手本ということで。

これが新品パッドです。
肉厚でしょー
乗り方によりますが、あと数年は大丈夫なんじゃないでしょうかね。
ただ、ディスク板を若干削っていたので、当たりが出るまで時間はかかるかも知れませんね。
本来、このあと、マスターシリンダー側でフルード調整もやらないとなりませんが、リアルに調整の必要性がなかったモノで、上澄みのみフルード交換をしただけに留まりました。
あとは個々にメンテナンスを進めてくださいませ。
では。







