原付バイクを乗ろうと思った時に、厄介だと思っているのが、
1)ヘルメットをかぶること 2)停める場所を確保すること 3)メンテナンスをしなくちゃらなんこと
概ね、この3つがネックになっているのではないでしょうか?
ヘルメットは致し方ないことなんですが、髪型崩れるの、イヤですよね、とくに女の子は。
行った先の駐輪場の確保も、ハッキリ言って、かなりかったるい。
それ探す時間がもったいなくて乗って行かない人がほとんどでは無いでしょうかね。
ムダな時間ですもん。
そして最後のハードルがメンテナンスですよねー。
これは、もう致命的にムリでしょーね。
千代田区や中央区や江東区、港区、目黒区など、驚異的にバイク屋がありませんからね。
今回お電話でご依頼があったユーザーさんも、そんな東京ど真ん中で通勤に使われているのですが、とにかくバイク屋が無くて、オイル交換がおろそかになりがちなよーです。
車両はビーノ4(SA37J)の水冷4サイクルエンジン車ですから、オイル交換は必須ですね。

他の案件とバッティングしていたので、今回は持ち帰り修理としました。
診断チェックしてみると、どうもクーラント液が減っている様子。
これは、オイルチェックしなければならん!とゆーことで、オイル交換を慣行。

この色はヤバイです。
オイルが汚れると黒に限りなく近い色になります。
これは黄土色です。
ミルクチョコレートっぽくなっている場合、これはクーラント液が混入している可能性があります。
クーラント液のリザーバータンクにより減りがちがどーかがわかりますので、一度チェックしてみるとイイかと思います。

チェックするのは、なにもパーツを外すことなく誰でもできます。
ステップ脇に乳白色の小窓みたいなのが見えると思いますが、これがクーラントリザーブタンクなんです。

Fとあるのが、FULL。
Lとあるのが、LOWの意。
FとLの間に、クーラント液が溜まっていないとおかしーという印です。
今回は、見にくいですが、LOWをちょい切っているところに水位がありました。
つまり、この現象、結論から言いますと、ウォーターポンプ異常なんです。
水冷エンジンなので、エンジンを冷やすのに水を使っているのですが、この水に水流を与えるために、スクリューが回っているのです。
このスクリューを回す動力が、エンジン掛かっている時の回転力になるわけです。
つまり、エンジン室と水の流れるスクリュー室は、壁ひとつで仕切られていますが、芯棒は繋がっているわけです。
その防水性を保っているのが、シールパッキンと呼ばれているモノなのですが、こいつが消耗して来ると、エンジン室に水が盛るようになり、オイルと混ざり、チョコレートオイルみたいになってしまう。
とゆートラブルなのです。

正直、ウォーターポンプのオーバーホール、修理費が高いんです。
オイル交換したタイミングを聞いて、どうやら、2年間やっていないとのことなので、2年でこのミルクチョコレート色だとすると、クーラント液の混入量は大したことが無いと判断されます。
そうした経緯から、今回は、エンジンオイルに溶剤を入れるだけの措置としました。
これは、オイルシーリング剤とも言うのですが、オイル漏れなどに一時的に使用するタイプ。
これで、だいぶ緩和されるケースが多いんです。
ただし、次回オイル交換はお早めにやって頂く必要性があります。










かなり粘度の高い添加剤となりますので、少し温めて流し込みます。
これを使用して、混入がまったく止まったケースも経験があるんですが、劣化した時にどんな作用するかは不明なので、早めにオイル交換して頂くのがベストです。
あとは、エンジンを掛けて循環させて、クーラント液を足しておきます。

補給する部分は、ステップのバッテリー格納庫と同一場所。
黒いキャップを外して、ペットボトルかなんかに移したクーラント液を注ぎ入れます。
東京なら、水とクーラント液と同割りぐらいでイイと思います。
マイナス温度になることは、まずありませんからね。
今回は、臭いところに蓋をしたよーな修理ではありましたが、これも、お客様の予算に応じた、TPO修理ということで、大切な要素です。
直す予算が無ければ買い替えな!と言うのは、カンタンなことですが、相手の立場になっていない気がします。
あと1年もてがよし、お金は極力かけたくない、明日から使いたい などなど、ユーザーにとっては、いろんな事情があるものです。
それに寄り添ってあげる修理もプロの仕事だと思っています。
同じようなトラブルがありましたら、ぜひともご相談頂ければと思います。
ではでは。








