連休が多いですね。
連休になると、趣味性の高いバイクの修理案件が増えます。
今回は2スト絶版の屋根付き原付バイクのキャビーナ(AF33)が入庫しました。
もはや、知らない世代も多いんじゃないでしょうか?
屋根付き原付バイクとしては、当初、画期的で、そのフレームの剛性感と行ったらジャイロキャノピーに受け継がれたということもあり、お墨付きでした。
ホンダは、たまにこういったおもしろいバイクを世に出しますよね。

そして、そのおもしろいバイクは、絶対に後に出るであろう本格スクーターの試験的な導入として発売して来ます。
未完成な感じが、またとてもカスタム心をくすぐるんでしょーね。
さて、そんな絶版なキャビーナですが、今回の入庫は放置パック。
5年ぐらい動かしていないようで、復活したいとのこと。
キックが下りないのが気になるのだが、キャブ廻りを見ると、ちょっとオイルっぽいのがわかりますかね?

エンジンピストンが上死点で止まった状態、つまり、エンジン内が負圧の状態ですね。
その状態でたまたま放置してしまうと、エンジンがキャブからオイルを吸ってしまうんです。
この状態が、オイル回りです。
エンジン内部、クランク側の腰下部分にオイルが溜まってしまうわけです。

キャブレター自体も、なんとなくオイルがうっすらと被っているような状態だと、オイル回りが起きているのではないかと予想されます。
すると、エンジン内部がオイルまみれなので、粘度が凄まじくて、キックが下りなくなるんです。
つまり、クランクが回らない状態、ピストンが動かない状態に陥ります。

マフラーを外してみたら、やっぱり、オイルまみれです。
これ、焼くの大変だぁ~~~

そもそも、マフラー外しただけで、オイルがだー!って出て来ました。
こりゃダメだ。
満タンだ。

まず、シリンダー側から抜きます。

プラグを外して、キックを踏むと、ポンポンポン!っと同時に、オイルがぴゅ!ぴゅ!ぴゅ!と飛び出します。
あまりにスゴイんでスマホで撮れませんでした。

車体下は、オイルでいっぱいですわ。
あまりにひどいときは、シリンダー開けて注射器で抜くんですが、今回は負圧ホースから抜くことにしました。
エンジンから伸びている負圧ホースを燃料ポンプ側で抜いて、下に垂らしておけば、勝手に内部オイルが抜けてくるという寸法です。
ある程度抜けたら、すんなりキックが下りるようになったので、エンジンをかけてみると・・・・・・

すんごいですよ。
その煙って言ったら、これ、マフラー付けていない状態なので、シリンダーから直接出る煙です。
前が見えません。
今どき、この煙はヤバイですよね。
ただ、この煙りをエンジン内部から抜いてしまわないとならないので、この状態で1時間はエンジンを回し続けます。
その次に、マフラーの残ったオイルが燃えるのに、また煙地獄です。
さすがに東京都内のバイク屋さんで、こーいった作業はムリでしょうね。
ガッチャ工場の回りは準工業地域ということで、ヘビーな製造業も多く存在していて、へっちゃらですが、ウチより都内では仕事は難しいかもね。
ではでは。
今回の修理案件:放置パック5万円








