とにかく、レッツⅡって、出回っていますね。
売れたんですね、あらためて。
ウチに入庫する確率が高すぎるのもおもしろい現象です。
ひとつに、古い車両で、品質の悪いスズキということもあり、街のバイク屋が修理を断りがち ということがあると思います。
今回、事故案件でフロントステムがぐんにゃりと入ってしまった。という案件。
ここで言う「入る」とは、専門用語になりまして、インナー側に入り込んでしまった ことを言います。
つまり、縁石や車、障害物などに正面から突っ込んでしまうと、ステムが負けて、フレーム側に衝撃で入り込んでしまうことから、そう呼ばれています。


ステムが入るとは、真横から見るとわかりやすいだろう。
明らかにインナー側に入ってしまっている。
ひどい場合だと、タイヤ・ホイールが回らないので、自走どころか、押し歩きもできない状態になる。


ひとまず、色物パーツを外す。
ハンドルも外さないとならないのだが、メーター側のハンドルカバー側は、このまま外すことができるのが楽だ。

ちょっと情けないようなカッコだが、このままで作業続行だ。

これがステムを留めるナット。
二重ナットになっているので、コツは、ひとつずつ緩めて行くこと。


ひとつずつ外します。

ステムが外れました。
ケーブル類なども同時に外さなければならないのですが、このあたりは割愛させて頂きます。
ただ、この段階で気を付けて見なければならないのが、ベアリングだ。

ステムベアリングはボールベアリングと言われる、かなり原始的なモノ。
玉が樹脂カバーで連結されているのだが、このベアリングが潰れていないか、どうか、外れていないかどうか、を見極めて、再装着するか決めないとならない。
プロの仕事としては、このベアリングは有無なく交換となる。
ただ、新品を使う場合だけではなく、部品取車で事故車では無いモノから、このベアリングは抜いて保管してあるモノを使うのが大半だ。
動きは保証する。

そしてこれが肝心のステムパーツ。
明らかに角度が違うのがわかる。
これだけ詰まってしまってるんだから、さぞかしスピードが出ていたんではないか!と思うかも知れないが、たかだか30km/hだったらしい。
そこにバイクの重量やぶつかる相手のスピードと車両重量が加わるので、その衝撃はモノすごいモノです。
ちょっとした段差にぶつかるだけでも、結構な衝撃で、ステムなんてぐんにゃり曲がるということを知っておくべきである。
正直、スズキは曲がりやすいとも言える。

組付け終わった正常なステム。
やっとまともに走れる。
もちろん、単独事故だと自損ということになるので、今回のお支払いも全部自腹ではあるのだが、それなりに作業工賃は高い。
また、ステム交換した後にフレームの曲がりに気づく場合もある。
基本的に事故ったバイクを修理して直すのはリスクが伴うということは知っておいて頂ければと思う。
今回ホイールも無傷だったので、良かった。
まずは事故ったら診断ですね。
保険対応を含むような事故案件は、残念ながらガッチャはやっておりません。
なぜなら、原付バイクは全損になっちゃうケースが多く、バイク屋サイドとしては、儲からないからである。
自損事故、自腹で直さないとならないケースのみ、承ります。
では。










